CINEMA DISCOVERIES

Profile

杉本曉子

1979年生まれ、東京都出身。
大学卒業後、番組制作会社東京ビデオセンターに入社し、テレビ番組のアシスタントディレクター(AD)として勤務。その後数年間、映像業界から離れて異業種をいくつか経験したのち、会社員として働くかたわらシナリオを学ぶ。2008年6月から海岸通団地の撮影を開始し、2009年に自主ドキュメンタリー映画『海岸通団地物語』を完成させる。東京都内、神奈川県など9か所で作品の自主上映を行う。
旅するように暮らしながら日本、そして世界の「集合住宅」とそこにある人々の「暮らし」を切り取って表現することに興味がある。

Information

▼’Danchi Woman’ blog

https://danchiwoman.hatenablog.com/

 

Filmography

▼主な監督作品
◯『海岸通団地物語』(2009)※
◯『Danchi Woman 66'』(2017)
◯『Danchi Woman 27'』(2019)

 

※『海岸通団地物語』について…
「海岸通団地」と私の出会いは9年前にさかのぼる。そびえたつ高層ビル群と、廃墟のような団地との対比が強烈で印象的であった。
一体、あの箱の中には、どんな暮らしや人生が詰まっているのだろうか?」
そう興味を持ったのが、撮影をはじめたきっかけである。「建て替え間近の団地である」ということは、撮影をはじめてから知った。2008年以降、毎週末に、私はビデオカメラを片手に団地へ通うようになる。そして、10ヶ月間撮影したものを編集して、2009年6月に完成させたのが自主映画『海岸通団地物語』である。
撮影するうちに、団地の住民たちと関係が出来るようになり、自然と建て替え後までずっと追いかけて、一つのドキュメンタリー映画として完成させたいと強く思うようになった。そして、2011年6月からフリーランスのカメラマンと二人体制で、『Danchi Woman』の撮影を開始した。2011年6月からはじまった撮影は、「建て替え」「引っ越し」「取り壊し」といった事象や新居での生活の様子を含め、2014年6月にクランクアップした。

 

Close Up
監督の魅力に迫るQ&A

Q.映画制作をはじめたきっかけは?

テレビ番組の制作会社で数年働いた後に異業種へ転職したのですが、その時にどうしてもまた「映像制作に携わりたい」という気持ちが強くなり、そこで初めて映画制作に取り組みました。

Q.影響を受けた作品、監督は?

高校生の時にテレビ番組の「ナショナルジオグラフィック」を観て「こんな映像を作ってみたい」と思いました。映画はもちろんテレビドキュメンタリーでも影響を受けた作品がたくさんあります。

Q.関心のあるテーマは?

女性、子ども、高齢者の住まいと暮らし、高齢者の移民、マインドコントロール、など

Q.映画制作の過程で、チャレンジングと感じることは?

映画制作はすべての過程がそれぞれチャレンジングだと思いますが、その中でも「どうしても撮影したい」という存在を見つけること、そして制作の過程で予想もしていなかった困難に直面した時にチャレンジングだと感じます。

Q.監督業の面白さは?

多くの方たちが制作に携わることで当初の自分の予想をはるかに上回るものが生み出されること。そして完成した後、作品を観た方たちからさまざまな反応をいただけること。

Q.映画づくりでこだわっていることは?

観終わった後に柔らかい気持ちになれるような、そして制作に携わってくださった方たちが「関わってよかった」と思える作品づくりを目指したいと思っています。

Q.インディペンデントという領域の魅力は?

自由度が高いことと多様な価値観が受け入れられること。

Q.死ぬ前に映画を一本見るとしたら、何を選びますか?

死ぬ状況や年齢によって選ぶ作品も変わると思いますが正直まだ考えたくないです……

Q.映画を見る時に、何を期待しますか?

観た後に自分の価値観を揺さぶるような発見が一つでもあったらいいな、と思います。

Q.1年に一度だったり、数年に一度など定期的に必ず見る映画は?

10代、20代、30代、と年代によって繰り返し観る作品も変わっていますが、その中でも『となりのトトロ』(宮崎駿監督)は今でも一番多く観ています。

Q. 好きな食べ物は?

今の季節(12月現在)だと寒い夜に食べる根菜をたっぷり入れた具沢山のけんちんうどん
(薬味に長ネギとすりゴマをたくさんとキムチもちょっとのせて)

Q. 趣味は?

散歩しながら建築物や民家を眺めること。手紙を書くこと。

Q.愛読書は?

向田邦子「寺内貫太郎一家」
J・D・サリンジャー「フラニーとゾーイ」
大家族の「おはなし」が好きです。

Q. 居心地の良い場所はどこですか?

木や芝生など緑がたくさんあって空が広く感じられる大きな公園。

Q. インディペンデント映画を扱った動画配信サービスに寄せる期待を教えてください。

インディペンデント映画に限らず映画作品全般を含めた動画配信サービスについての回答になりますが、このコロナ禍で劇場に足を運ぶのが難しくなっている方たち(特に高齢者層)に作品が届いて観ていただける機会になってほしい、と願っています。

 

杉本曉子監督の作品