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ディスカバリー・ガイド

酒井麻衣監督がこだわる「ダークファンタジー」

『夢見がちな少女が吸血鬼に魅了されていく『いいにおいのする映画』(2015年)にせよ、『はらはらなのか』にせよ、酒井麻衣監督は少女の「憧れ」という感情から物語を紡ぎ出している。

「憧れ」とは言い換えれば「夢想」であり、いまだ実現せぬことでどこまでも膨張をつづける「妄想」でもある。
このような「膨張する妄想」の世界を描きつづけてきた映画作家に、テリー・ギリアムやティム・バートンがいるが、彼らの妄想世界=ファンタジーの特徴は、その世界を生きることが試練に満ちた現実世界を生きることのメタファーとなっていることだ。それは「オズの魔法使い」から連綿とつづく「ダークファンタジー」と呼ばれるものの本懐でもある。
現実と対峙するために、現実そのものを描こうとしてきた日本映画の文脈においては、こうしたダークファンタジーの路線を志向する酒井麻衣監督の存在は貴重であり、今後に大いに注目したい。

インフォメーション

タイトル:はらはらなのか。

あらすじ

人々の心に残る女優になりたいーーそう願いながらも、なかなか芽が出ない子役・原ナノカ(原菜乃華)。もうすぐ13歳になる彼女は、さみしい時にだけ見えるもう一人の私・透明ナノカがいなければ朝も起きられない。父・直人(川瀬陽太)にも素直になれない、まだ夢見がちで迷えるお年頃。自分が生まれると同時に亡くなった母・マリカ(松本まりか)に憧れて始めた女優業だけど、オーディションに行っても不合格続き。モヤモヤした日々を送っている。ある晩、父の都合で田舎町に引っ越してきたナノカが見つけたのは、舞台『まっ透明なAsoべんきょ~』の再演とキャスト募集のチラシが入った封筒。それは、13年前に母が出演した舞台だった。絶対に主役をやりたい!と反対する父にも内緒でオーディションを受けることを心に決めたとき、運命のいたずらか、初演で母の娘役を演じたリナ(松井玲奈)の喫茶店を見つけるナノカ。時を同じくして、転校先のスター生徒会長・凜(吉田凜音)と出会い、歌手を目指すリナの存在に、少しずつ感化されていく。主役を勝ち取り、劇団Z-Lionの演出家(粟島瑞丸)とメンバーら(チャラン・ポ・ランタン、micci the mistake、広瀬斗史輝、上野優華、カンカンバルカン)と稽古をすることになるナノカだが、なかなか役の気持ちをつかみきれない。演技をすることは、「本当」か「嘘」なのか。ナノカがたどり着く未来とは…?

スタッフ・キャスト

監督・脚本:酒井麻衣
企画:直井卓俊
撮影:伊集守忠
録音・効果・MA:吉方淳二

キャスト:原菜乃華 松井玲奈 吉田凜音 粟島瑞丸 チャラン・ポ・ランタン micci the mistake 上野優華 広瀬斗史輝 水橋研二 松本まりか

2017年/101分/ファンタジー

ⓒ2017「はらはらなのか。」製作委員会

スペシャルコンテンツ

瞬く星空のなかに夢見る少女の姿が映し出され、そこに主人公のモノローグがかぶさる。『はらはらなのか』の冒頭は・・・

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