CINEMA DISCOVERIES

Profile

黒沢清

1955 年生まれ。兵庫県神戸市出身。
立教大学在学中より8ミリで映画を撮り始め、1983年商業映画デビュー。Vシネマなどを量産していたが、『CURE キュア』(1997年)が海外に紹介されたのを契機に国際的評価を得る。『ニンゲン合格』(98)、『カリスマ』(99)、『大いなる幻影』(99)と話題作が続き、『回路』(00/カンヌ映画祭ある視点・国際批評家連盟賞受賞)、『アカルイミライ』(02/カンヌ映画祭コンペティション)、『叫』(06年/ベネチア映画祭)、『トウキョウソナタ』(08年/カンヌ映画祭・ある視点部門審査員賞受賞)などを発表し各国での評価を高める。
『贖罪』(11/WOWOW)はテレビドラマにも関わらず、ベネチア映画祭をはじめとする数多くの国際映画祭で上映された。その他、『Seventh Code』(13/ローマ映画祭・最優秀監督賞)、『岸辺の旅』(14/カンヌ映画祭・ある視点部門監督賞)、『クリーピー 偽りの隣人』(16/ベルリン映画祭)、フランス・ベルギー・日本合作でフランス映画として制作された『ダゲレオタイプの女』(16/トロント映画祭)、『散歩する侵略者』(16/カンヌ映画祭・ある視点)、ドラマ『予兆 散歩する侵略者』(17/WOWOW・ベルリン映画祭)、1ヶ月間ウズベキスタンに滞在し撮影を行った『旅のおわり世界のはじまり』(18/ロカルノ映画祭)などがある。
現在、東京芸術大学大学院教授。最新作『スパイの妻』(20)はベネチア映画祭コンペティション部門に選出された。
 

Information

▼2020年10月16日劇場公開作品『スパイの妻』公式HP

https://wos.bitters.co.jp/index.html

 

Close Up
監督の魅力に迫るQ&A

Q.映画制作をはじめたきっかけは?

いろいろ考えられますが、多分1970年代後半に経験したいくつかの出来事の影響が大きかったように思います。ひとつは大学で8ミリ映画を撮り始めたこと。もうひとつは同じ大学で蓮實重彦の授業を受けたこと。それから、長谷川和彦の『太陽を盗んだ男』に参加できたことも。

Q.影響を受けた作品、監督は?

あらゆる種類の映画を全て撮る心意気はリチャード・フライシャーから、映画の娯楽性への真摯な向き合い方はスティーブン・スピルバーグから影響を受けました。

Q.注目している監督は?

世間があまり注目しないからという意味も込めて、ロバート・ゼメキス。

Q.関心のあるテーマは?

戦争。

Q.映画制作の過程で、チャレンジングと感じることは?

予算にかかわらず、撮影日数にかかわらず、物語にかかわらず、どれも120分前後の長さで完成させなければならないこと。

Q.得意なジャンルは?

サスペンスかラブストーリーかと問われれば、圧倒的にサスペンスです。

Q.監督業の面白さは?

いろいろな人々の才能を、自分の作品に取り込んでしまえること。

Q.映画づくりでこだわっていることは?

映画製作を滞りなく進める全責任は監督にあるということ。

Q.映画とは?

多くの人々と共に暗闇の中でスクリーンを見つめ、自分と作品の関係、自分と他人との関係を発見する装置。

Q.インディペンデントという領域の魅力は?

やりたいことをストレートに実現できるのが、インディペンデントの最大の意義だと思います。昔の8ミリもそうでした。あそこで数々の失敗を実践できたことが、私にとって貴重な経験となりました。つまり、監督がやりたいようにやっても必ずしも映画は面白くならないということが露骨にわかったのです。商業映画では、失敗の原因がどこにあるのかどうも判然としません。その点インディペンデントははっきりしています。そこが魅力です。

Q.映画を見る時に、何を期待しますか?

それはもちろん面白さですが、職業柄、監督が1カットをどうやって充実させようとしているかがどうしても気になります。あ、編集で誤魔化したというのがわかると、どうも興ざめしてしまうのです。

Q.1年に一度だったり、数年に一度など定期的に必ず見る映画は?

『天が許し給うすべて』『砂漠の流れ者』『フランティック』『パリの灯は遠く』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『風の中の牝鶏』『宇宙戦争』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』『ある子供』『パッション』『絞殺魔』『動くな、死ね、甦れ』『悪魔のいけにえ』『日本春歌考』…

 

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