Profile

末長敬司
1976年生まれ、京都府出身。京都市在住。
高校卒業後、2000年~03年まで韓国、03年~06年まで中国で勤務。 07年に完全帰国し、11年にインディペンデント映画制作団体・星海電影制作公司を設立。
2015年から海外展開を開始した、大西礼芳主演の短編『爛れる/Becomes Sore』(2014年)は、2015年にアメリカの第9回デトロイト・トリニティ国際映画祭(TI Film Festival)で準グランプリに当たる〈Honorable Mention〉を、その後ヨーロッパでも2017年に第1回〈ユーロ・キノ〉チェコ国際インディペンデント映画祭(Euro Kino)でグランプリ(短編劇映画部門)を受賞。
長編第一作と為る、無名時代の吉岡里帆初主演SF映画『星を継ぐ者/Inherit The Stars: The Director’s Cut』(2016年)は、全世界20ヶ国で36ヶ所(コソボ×1、ロシア連邦×2、イギリス×9、カナダ×1、セルビア×1、アメリカ×5、デンマーク×1、カメルーン×1、フランス×1、イスラエル×1、ドイツ×2、ガーナ×1、リトアニア×1、スイス×1、スウェーデン×1、スペイン×2、台湾×1、日本×2、オランダ×1、イタリア×1)の映画祭を回り、総ノミネート数59タイトル、総受賞数14タイトルの成績を残した。
Filmography
▼主な監督作品
◯短編映画『爛れる/Becomes Sore』(2014)
◯長編映画『星を継ぐ者/Inherit The Stars』〈145分版〉(2015)
◯短編映画『それで世界は救われなくても/Till the End of the World』(2016)
◯長編映画『星を継ぐ者〈ディレクターズカット版〉/Inherit The Stars: The Director's Cut』(2016)
◯短編映画『AIM』(2017)
◯短編映画『冷たい床/Cold Feet』(2017)
◯短編映画『AIM POINT』(2018)
◯長編映画『The Stars My Destination/星を継ぐ者』(2018)
〇短編映画『ENGAGEMENT』(2020)
◯短編ドキュメンタリー映画『Bread Salt and Heart』(2020)
Close Up
監督の魅力に迫るQ&A
Q. 映画制作をはじめたきっかけは?
邦画低迷期に育った洋画世代なので、自分が観たいと思う邦画に出会えなかった事が大きいと思っています。
観たいものが無いなら自分で作れば良い、という発想です。
Q.影響を受けた作品、監督は?
リドリー・スコット監督『ブレードランナー』『エイリアン』『ブラック・レイン』
アンドレイ・タルコフスキー監督『惑星ソラリス』『ストーカー』
マイケル・ラドフォード監督『1984』
ピーター・ハイアムズ監督『カプリコン・1』『アウトランド』『2010年』
ジョン・カーペンター監督『遊星からの物体X』『ザ・フォッグ』『ゼイリブ』
Q.仲の良い監督は?
海外の映画祭で出会った世界中の監督達。
Q.注目している監督は?
海外の映画祭で出会った世界中の監督達。
Q.関心のあるテーマは?
人種・宗教・戦争・環境等の諸問題を扱う社会学SFと陰謀論でしょうか。
人類の歴史に必ず存在する「空白」に惹かれます。
Q.映画制作の過程で、チャレンジングと感じることは?
如何に怖がらず自分達の「限界点」を少しでも先に設定できるか。
Q.得意なジャンルは?
女性同士の神経戦でしょうか。
Q.監督業の面白さは?
如何に優秀なスタッフとキャストの力を最大限に引き出せるか、という部分で己の「人間力」を試される点。
Q.映画づくりでこだわっていることは?
兎にも角にもクオリティとエンターテインメント性。
お客さんからお金と時間を頂く以上、遊びではないので。
Q.映画とは?
非現実を通して現実を再認識させてくれる装置。
Q.インディペンデントという領域の魅力は?
良くも悪しくも様々な「大人の事情」を伴わずにいられるフットワークの軽さ。
Q.一緒に仕事をしたい役者は?
大半の方が鬼籍に入られてしまいましたが、もしヨアン・グリフィズでミステリー映画、ジャン=クロード・ヴァン・ダムでSF映画が撮れたら、直ぐにでも引退して良いです(笑)。
Q.死ぬ前に映画を一本見るとしたら、何を選びますか?
やはり『ブレードランナー〈完全版〉』。
Q.映画を見る時に、何を期待しますか?
どれだけ大きなウソを、しかもちゃんとついてくれるか。
Q.映画の中のキャラクターとして生きるとしたら、どの映画の誰がいいですか?
必ず死亡フラグが立ちますが『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの歴代ヤマト艦長。
Q.1年に一度だったり、数年に一度など定期的に必ず見る映画は?
色々ありますが、一番は『砂の器』(1974年/松竹)です。
映画の撮影中には1週間に2回ペースで観る事もあります。
Q.好きな食べ物は?
とんかつとチャーハン。
Q.趣味は?
野球観戦(国を問わず)、読書(純文学からSFまで)、音楽鑑賞(クラシック、特に現代音楽)、海外旅行。
Q.愛読書は?
アイザック・アシモフ『鋼鉄都市』、ジョージ・オーウェル『一九八四年』、ロバート・シルヴァーバーグ『時の仮面』、アルカジイ&ボリス・ストルガツキー『ストーカー』、ロジャー・ゼラズニイ『わが名はコンラッド』、ロバート・A・ハインライン『夏への扉』、ハリイ・ハリスン『人間がいっぱい』、フレドリック・ブラウン『発狂した宇宙』、レイ・ブラッドベリ『華氏451度』、ジョー・ホールドマン『終りなき戦い』。
Q.邦洋問わず、お気に入りのスターは?
洋画(男優)ハリソン・フォード、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ヨアン・グリフィズ。
洋画(女優)ウィノナ・ライダー、ナターシャ・ヘンストリッジ、スタナ・カティック。
Q.居心地の良い場所はどこですか?
南フランスの小都市アンティーブ・ジュアン=レ=パンにある『Le Trianon Hotel』と、セルビアの首都ベオグラードにある『BG City Hotel』。
どちらも「最高の隠れ家」です。
Q.インディペンデント映画を扱った動画配信サービスに寄せる期待
インディペンデント映画の困る点は、良い作品に出会ってもそれを他人に勧められない事で、それは相手に対して視聴機会を保証出来ない、という根本的な問題から来ています。
こういった環境が整う事で視聴の機会を確保出来る様になれば、自ずと一般化、更には産業としての芽も出て来るでしょう。
そういった発展の切っ掛けに為る事を期待しています。