真利子監督によるディスカバリー・ガイド
意思疎通の難しい海外撮影という過去最大の挑戦
マレーシアに行ったこともない状態から、およそ二ヶ月後には撮影終える必要がありました。
言葉もわからないマレーシアでの撮影という過去最大の挑戦を敢行し、制御不能なヤギと6歳の女の子を主演に起用するという大博打を打つような脚本にして、完成した時にはこれ以上ない映画の喜びを味わいました。
インフォメーション
タイトル:FUN FAIR(オムニバス映画『同じ星の下、それぞれの夜』の一編)
あらすじ
ある朝、華僑の少女・チェチェは、父親とケンカした母親が結婚指輪を外して仕事に出てしまったことに気がつく。どうにかして指輪を母親のもとに届けたいチェチェは、ペットのヤギとともに母親の働くFUN FAIR(移動遊園地)を目指して家を飛び出すが、やがて道に迷ってしまう。
チェチェが道を尋ねたのは、帰国間際の日本人ビジネスマン。しかし、彼にはチェチェの話す中国語がわからない。通りがかりのマレー系の自転車タクシーの運転手が間に入るが、彼にしろ、中国語も日本語もわからないのだった。唯一お互いがわかることは、FUN FAIRが目的地であるということだけ。
かくして言葉の通じない三人の、FUN FAIRへの小さな旅がはじまる。
スタッフ・キャスト
監督・脚本:真利子哲也
キャスト:山本剛史 スン・ジェニー アズマン・ハッサン
2012年/40分/ドラマ
ⓒ 「同じ星の下、それぞれの夜」製作委員会