CINEMA DISCOVERIES

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ディスカバリー・ガイド

前田敦子の愛すべきボンクラっぷり

山下敦弘監督が『苦役列車』で組んだ前田敦子を再びヒロインに迎え、大学卒業後、甲府の実家へ戻って怠惰な日々を過ごす女子の日常を描いた本作。

もともと音楽チャンネル「MUSIC ON! TV(エムオン!)」のステーションID企画だったため、春夏秋冬4つの季節ごとにIDとショートドラマを撮影し、最終的にそれらをつないでタマ子の1年を描くという変則的な撮影方法がとられた。日々のささやかなエピソードのラフスケッチ的な空気感は失わず、タマ子の成長物語として1本の映画に仕上がっているのは山下敦弘監督と、デビュー作『どんてん生活』以降多くの作品で組んできた脚本家・向井康介との相性の良さだろう。いわゆる〝台詞〟ではない日常会話で登場人物の関係性やその場の感情を伝える脚本の巧さ。そしてなによりヒロイン・タマ子のボンクラぶりを手加減なしで演じた前田敦子の魅力がたっぷり詰まった愛すべき一作だ。

インフォメーション

タイトル:もらとりあむタマ子

あらすじ

東京の大学を卒業したものの、父がスポーツ用品店を営む甲府の実家に戻ってきて、無気力な日々を送るタマ子、23歳。現在、無職。父がひとり暮らしをする実家で、家事を手伝うこともなく、就職活動をすることもなく、ただ食べて、寝て、マンガを読む生活を送っている。テレビを見れば「ダメだな、日本は」とか「クソ暑いのに野球なんてよくやるよ」とか悪態をつき、近所の中学生には「あの人、友だちいないから……」と同情される、逆ギレばかりのぐうたら娘。「就職活動してるのか?」という父の言葉に「その時が来たら動く。少なくとも今ではない!」と威勢がいいのか悪いのかわからない啖呵を切るが、秋から冬、そして春から夏へと季節が移りゆく中、タマ子の気持ちにも少しずつ変化が現れていく。履歴書を書き、就職への意欲を少しだけのぞかせるようになるタマ子。そんな矢先、父に再婚話が持ち上がり、彼女の心は激しく揺れる――。口を開けばいつも言い合いばかりしている父と娘。でも本心では、父は奔放な娘を愛しく思い、娘は不器用な父を思いやっている。モラトリアムな毎日を過ごすタマ子が、ゆっくりと新しい1歩を踏み出す四季の物語は、観る人をあたたかく穏やかな気持ちで包んでくれる。

スタッフ・キャスト

監督:山下敦弘
脚本:向井康介
主題歌:星野 源 『季節』(SPEEDSTAR RECORDS)
サウンドロゴ:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)

キャスト:前田敦子 康すおん 伊東清矢 鈴木慶一 中村久美 富田靖子

2013年/78分/ドラマ

© 2013『もらとりあむタマ子』製作委員会

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