ディスカバリー・ガイド
パラレルワールドと“噛み合わない歯車”が示す悲劇とドラマ
これは、“これから”の未来に向けての物語。アラサーの売れない劇団員たちの日常を淡々と追い、彼らが何のために演劇を続け、どのような未来を望んでいるのか。その理由を探る中で、少しずつ彼らの関係性に“ほころび”が見えてくる。
そして、冒頭で提示される“シュレディンガーの猫”の意味とは、劇中劇の“パラレルワールド”が示しているものとは何か。そこには、考えれば考えるほどに切なく苦しい、現実の“噛み合わない歯車”による悲劇があり、その先には悲劇を超えた感動が待っている。無名の役者たちの姿が、そのまま劇中のキャラクターたちとシンクロしていく、インディーズ映画でしかなし得ない、濃密かつリアルなドラマが、ここに。
インフォメーション
タイトル:パラレルワールド・シアター
あらすじ
『現実』と『劇中劇』。
ふたつの物語が交錯する、アラサー小劇団の遅すぎた青春ストーリー。
東京の小劇団「クオンタムフィジックス」の主宰・佐々木は、30歳を目前に控え、グダグダになっていた劇団を立て直すために3年ぶりの本公演を打とうとする。 それは、パラレルワールドを行き来する時間旅行者たちが最後のタイムトラベルを通して破滅していく、悲しい運命を描いたSF作品だった。
この公演を通してもう一度夢をつかもうとする劇団メンバーたちの現実と、悲しいタイムトラベルを繰り返す劇中の登場人物たちの物語は、いつしか交差していく。
現実と劇中劇。彼らのふたつの物語が、たどり着く結末とは......
スタッフ・キャスト
監督・脚本:堤真矢
撮影・編集:堤真矢
照明:竹本勝幸
録音:磯辺康広
助監督:松岡寛 長谷川加織
音楽:川尻大輔
キャスト:須田暁 空美 藤野政貴 広瀬斗史輝 本間理紗 和田修昌 浜野なおみ 瑞貴 竹田哲朗 片渕真子
2019年/121分/ドラマ
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