CINEMA DISCOVERIES

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ディスカバリー・ガイド

傷の共同体は可能か? 恐ろしくもアヴァンギャルドな傑作

僕らは誰も傷つけたくないし、傷つけられたくもない。だけどこの映画は、互いに傷つけあうことでのみ結ばれる絆もある、と僕らに伝える。

ヒロインの少女は、幼い頃に喪った母親の手帳を偶然見つけ読み進めることで、「お母さんは立派な人だった」といった父親の穏当な回想の嘘に気づくばかりか、母親が抱えていた心の傷に憑依される。母の傷に支配され、破壊的な衝動で周囲を傷つける娘……。本作は、誰もが傷を負うことで形成される“傷の共同体”を描く映画なのだ。ただし、本作は単に暗く憂鬱な「トラウマもの」ではない。人の心に潜む傷を“怪物”として表象する安川有果監督の手腕は、往年の恐怖映画と実験映画の合体を目撃するかのような爽快さへと僕らを導く。

インフォメーション

タイトル:Dressing Up

あらすじ

桜井育美は父親とふたり暮らしの中学一年生。授業で「将来の夢」について考えるという課題が出ても、自分の未来を想像することができない。「母親のような立派な人になりたい」というクラスメイトの発言を聞いた育美は、幼いころに死んだ母親がどういう人だったのか興味を持ちはじめる。やがて育美は、父親がずっと隠していた母親の過去を知ってしまう。禁断の箱を開けてしまった少女。痛みに満ちたこの世界で生き抜くために、愛を求めてさまよう彼女の見たものとは―。

スタッフ・キャスト

監督・脚本・編集:安川有果
撮影:四宮秀俊
照明:大嶋龍輔
録音・音楽:松野泉
美術:塩川節子
衣装:金井塚悠香
メイク:北川恵理
特殊メイク:仲谷進(KID’S COMPANY)
制作統括:濱本敏治
制作:横田蕗子、草野なつか
助監督:福田良夫、清水艶
ロゴ・イラスト:小林エリカ
デザイン:寺澤圭太郎

キャスト:祷キララ 鈴木卓爾 佐藤歌恋 渡辺朋弥 平原夕馨 デカルコ・マリ

受賞歴:
第14回 TAMA NEW WAVE グランプリ ベスト女優賞(祷キララ)
第25回 日本映画プロフェッショナル大賞 新人監督賞

2012年/68分/サスペンス・ドラマ

ⓒ 「ドレッシング・アップ」

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